Incredible Edible
関係性の再設計
Todmorden(トッドモーデン)は、イングランド北部・West Yorkshire にある小さな町。実は産業革命・労働運動・コミュニティ思想・ポスト資本主義的実験が交差する、かなり特異な歴史を持っている。
少し時代を遡ると、この街は18〜19世紀、産業革命によって発展した。しかし20世紀後半になると、イギリス北部の多くの工業都市と同じく衰退していく。
そのような状況の中でも、この町には19世紀から育まれてきた労働組合や協同組合、コミュニティ思想の土台があったという。
江戸時代の日本にも、互いに支え合う組合的な仕組みはあった。ただ、今回現地で感じた大きな違いは、向こうでは一人ひとりが意見を持ち、「言葉にして議論する」ということだった。
空気を読み、調和を保とうとする日本との違いを、課題として受け止めるのか。それとも、それぞれの文化的な特性として考えるのか。曖昧にすることで平和を保ってきた背景が日本にはある。
これは、かなり大きな問いだ。
2008年、公共空間で野菜を育て、誰でも収穫していい。「食べる人は皆参加者」という Incredible Edible の思想が生まれ、駅前、警察署前、道路脇などがゲリラファーミングされた。
違法かどうかよりも、まず動いてしまう。この姿勢。そして結果的に、それを街の仕組みにしてしまう。
これは、「所有」から「共有」への価値観の転換を象徴する活動だった。カーシェアが一般的になる前のことであり、その先を行く発想だったとも言える。この活動は世界へ広がり、現在ではイギリスに100以上、世界では700以上の関連グループがあると言われている。
世界で最初に産業革命を経験し、工業都市としての栄枯盛衰をいち早く味わった。だからこそ、今のトッドモーデンがあるのかもしれない。
日本は、あのバブルで何を学び、今があるのだろう。
buna



